タイトル:維持管理の考え方とガイドライン

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概要

全国住宅産業地域活性化協議会 維持管理の考え方とガイドライン

維持管理とお手入れ維持管理の実施というと「定期点検」と捉えられがちである。確かに、「維持管理」の基本は、「点検」であり、定期的に点検を行い、不具合が見つかった場合はメンテナンス第1章(補修・修理)を行う事が必要になる。しかし、快適に建物を使用し続けるためには、建物の性能を一定に保つ「お手入れ」と「維持管理」の両立が必要となる。「お手入れ」は、住まい手自身が日々行う「掃除」と昔の大掃除のように季節ごとや年ごとに定期的に行う「お手入れ」がある。?お手入れ○「掃除」:日々の掃き掃除や拭き掃除等の清掃床の掃除やトイレの掃除等、毎日行う清掃にあたる。同じ場所を定期的に観察することとなり、シミ、キズ、凹みなどの細かな変化に気づき、早期に異常を発見する手がかりとなる。例)壁や天井のシミなどの気づき→雨漏りの疑い○「お手入れ」:季節の変わり目や長期休暇等に定期的に行う「大掃除」的なもの木質床のワックスがけ、雨どいの清掃、換気扇やエアコンのフィルター清掃、普段行わない部位の清掃などがこれに当たる。これからのお手入れと維持管理「お手入れと維持管理」について一般的な考え方については、上に記したものとなる。しかし、これで住まい手の満足感が得られるかどうかは、別の問題といえる。年に1度の大掃除など、「お手入れ」は、原則住まい手が行うものといえるが、手の届かない高所にあるFIX窓の掃除や雨どいの掃除など高所用の脚立が無いと、難しいなどかなり面倒であり、困難と言える。逆に、このような「お手入れ」を点検時に行うことは、プロとしては容易なのではないだろうか。また、単純に点検だけで終わると、目に見えない内容でもあり、当たり前と捉えられる可能性があるが、点検のついでに無償で行うお手入れの範囲を定めて行うことは、住まい手に「来てもらって良かった」と思わせる内容にかわる。また、今後さらに高齢化が進展する中、できたら助けてほしいと思っているが、どこに相談したらよいかが分からない住まい手は、多い。有償で行うお手入れのオプションを設定し、単なる点検を住まい手の満足度に変えていく工夫も双方に、負担感が掛からず必要だと言える。点検時に行う無償サービスと有償オプションを使い分けて提案する事も有効になる。例)範囲作業内容無償範囲有償範囲オプション軒樋の清掃、高所FIX窓の清掃、内部建具へのCRC吹付竪樋の清掃、排水パイプの清掃、外部桝の清掃、エアコンの清掃、大型ごみの搬出、水栓の駒替え※この有償オプションの範囲は、現在、便利屋といわれる業種が行っている範囲で、その価格体系も明確になっている。同時に行うことにより、割安感を与えられる設定も可能であり、是非検討いただきたい。11