タイトル:維持管理の考え方とガイドライン

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概要

全国住宅産業地域活性化協議会 維持管理の考え方とガイドライン

新築住宅に維持管理に関する法制度新築住宅については、平成11年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により新築住宅における雨漏りと構造躯体の瑕疵担保責任について、それまで民法上瑕疵担保期間が1年であったものを、10年に延長し、特約で排除できない規定とした。次いで、平成21年には瑕疵担保履行法により、住宅の事業主は瑕疵担保について、保険または供託により資力の確保を行うこととされた。また、平成21年に施行された長期優良住宅法では、長期に渡り良好な状態で住まい続けられる住宅の普及の促進のため、構造躯体等の劣化対策、耐震性、可変性、維持管理・更新の容易性、高齢者等対策、省エネルギー対策等の基準が定められた。この基準に適合する住宅の建築計画と維持保全計画を所管行政庁に申請・認定を受けた住宅は、認定長期優良住宅として税制上の優遇措置を受けられると共に、適切な維持保全を行うことが求められている。第2章※前述したように住活協では長期優良住宅への対応を推奨している。新築住宅は、このように近年、その持つべき基本的な性能が法的に明確化されると共に、これまで以上にしっかりとした設計・施工が行われる状況となっている。こうした中、リフォーム市場の拡大と顧客対応の強化に向けて、「維持管理」に向けた取組みが、各所で見直させている。維持管理の基本は「定期点検」となるが、この点検には、2つの内容がある。1つは、前記した品確法に規定されている内容の「雨漏りと構造躯体」に関する点検となる。2つ目が、補修や修繕を最低限に抑えるための建物の劣化の状況を把握するための点検にある。この何れの点検についてもプロとしての知見が必要になります。本書での取組みでは、詳細点検において「雨漏りと構造躯体」に関する点検を行い、標準検査で劣化に関する検査を行う事とする。この「点検」は、長期優良住宅を例に考えると、通常、新築後、1年、2年、5年、10年、以降5年毎に行われるのが通常で、1年目、2年目については、無償点検となり、5年目以降は、有償での点検が一般的と言われる。自社のケースに当てはめて、有償・無償の枠組みを検討したい。これとは別に、緊急時臨時点検がある。大型の地震や台風、竜巻、豪雪などの自然災害により被害が想定される場合については、あらかじめ、住まい手と、上記の5年目以降の点検と共に、緊急時臨時点検についての契約をしておくと、スムーズに進む。23